SENTRY寄稿者

米国国防総省は、ステルス爆撃機「B-21レイダー(B-21 Raider)」の新たなテスト飛行映像を公開した。 B-21は、「B-1ランサー(B-1 Lancer)」と「B-2スピリット(B-2 Spirit)」爆撃機に徐々に取って代わり、米空軍の柔軟な地球規模攻撃能力の基幹となる。 この機体は、通常弾と核弾頭の混合弾を投下できる、長距離で非常に生存能力の高いステルス爆撃機であり、紛争を抑止するために重要な核のトライアドの空の主力となる。

空軍宇宙軍協会(Air and Space Force Association)が20249月にワシントンD.C.郊外で開催した「航空宇宙サイバー会議(Air, Space and Cyber Conference)」で関係者が公開したテスト映像には、地上試験、タキシング、飛行運用を含む一連の飛行試験の一環としてB-21が離着陸する様子が収められていた。 飛行試験は、米国とその同盟国および提携国に対する侵略と戦略的攻撃を抑止するための、生存可能な長距離貫通攻撃能力を提供するために、空軍試験センター(Air Force Test Center)と第412試験航空団(412th Test Wing)のB-21合同試験部隊(Combined Test Force)が管理する作戦の重要なステップである。

会議では、空軍の指導者や業界の専門家がB-21の生産に関する最新情報を報告した。 ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)の航空システム部門社長であるトーマス・ジョーンズ(Thomas Jones)氏は、この進捗状況について次のように述べている。「順調に進捗しており、1週間に2回の飛行試験飛行を実施できるようになっている。 […] この計画をスタートさせたとき、我々はこのシステムを毎日飛行できるように設計することを誓った。 この1年で、驚異的な進歩を遂げることができた。そして来年もこの進歩を続けたい」

パネリストらはまた、B-21G-1アセット(航空機の構造的完全性を評価するために使用される地上試験装置の一部)での静的試験を完了した重要なマイルストーンについても説明した。 この試験は、航空機の構造設計が健全であることを確認し、デジタルモデルの信頼性を検証するために不可欠であった、と空軍迅速能力室(Air Force Rapid Capabilities Office)のウィリアム・ベイリー(William Bailey)室長は述べた。

米空軍地球規模攻撃軍団の司令官であるトーマス・ブシエール(Thomas Bussiere)大将は、敵対国がもたらす現在の戦略的脅威と、その脅威に対応するための爆撃機部隊の必要性、そしてB-21が今後提供する能力について語った。

「我々は自由世界で唯一の爆撃機部隊だ。 爆撃機部隊に対する地域の戦闘軍からの需要が減ることはないだろう」とブシエール司令官は述べ、 「私の考えでは、この需要シグナルは今後数年でさらに高まるだろう。レガシーから新型への移行に伴い、B-21機隊は同盟国に大きな安心感を与え、潜在的な敵対者に対しては大きな警戒心を与えるはずだ。 今、我々がやっているようなことができるのは、地球上には誰もいない。 この地球上でB-21のような精巧で技術的に高度なプラットフォームを構築できる者はいない。率直に言って、我々が選ぶ時と場所でリスクを負える者は地球上にはいない」と語った。

ベイリー室長も同じ意見で、このプラットフォームは柔軟性を念頭に置いて作られていると語った。

「アジリティ(敏捷性)とフレキシビリティ(柔軟性)、これらは単なる流行語であってはならない。 こういったことは、時間をかけて実証できるようにする必要がある。 なぜか? なぜなら、それは自分次第で変わっていくものだからだ。このプログラムでは、そういった戦略をたくさん採用することができた」とベイリー室長は述べた。

B- 21の運用が開始されると、サウスダコタ州のエルズワース(Ellsworth 空軍基地が最初のB-21主要運用基地となり、正式な訓練部隊の所在地となる。 また、空軍は先日、ミズーリ州ホワイトマン(Whiteman)空軍基地が2番目、テキサス州ダイス(Dyess)空軍基地が3番目の運用基地となると発表した。

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