米国空軍のLGM‑35Aセンチネル(Sentinel)大陸間弾道ミサイル(ICBM)はこのほど、発射環境を模擬した試験において重要システムの耐性が確認され、開発の新たな節目を迎えた。 防衛大手ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)は、ICBMの「統合フロントエンド」に対し、極めて厳しい音響・振動環境を与える試験を実施し、地下サイロからの発射時に生じる強大な力に耐えられることを確認した。 20266月にSNSでセンチネルの初の一般公開写真を公開した同社は、今回の試験結果を「重要な信頼性向上につながる成果(critical confidence boost)」と評価した。

カリフォルニア州にある同社の大型音響試験施設(Large Acoustic Test Facility – LATF)で実施された今回の試験により、計画は2027年に予定されている米国空軍初の試験発射に向け、予定どおり進んでいる。

センチネル計画は、米国の核戦力三本柱のうち、地上配備型戦力の近代化を図る大規模な取り組みである。この計画には、新たな発射施設と地下発射サイロの整備が含まれている。 米国防総省(Department of Defense – DoD)は、このミサイルが2030年代に運用を開始し、最終的にはコロラド州、モンタナ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州、ワイオミング州の強化地下サイロに配備されている400基のミニットマンIII大陸間弾道ミサイルを更新する予定としている。 センチネルへの更新が進められる一方で、米国空軍は引き続きミニットマンIIIの定期試験を実施し、次世代システムへの全面移行まで、冷戦時代から運用されてきた同システムの安全性、信頼性、有効性を維持している。 米国空軍は、センチネルにより射程、命中精度、持続運用性が向上するとしている。

「近代的で信頼性の高いICBM戦力は、敵対国の意思決定を複雑化させ、大統領に信頼性の高い選択肢を提供する。これは戦略的抑止のまさに礎である」と、 米国戦略軍(USSTRATCOM)司令官の米国海軍リチャード・コレル(Richard Correll)大将は、20262月のニュースリリースで述べた。 「センチネル計画が着実に進展していることで、今後何十年にもわたり、わが国の核抑止力の信頼性と即応態勢について敵対国が疑念を抱く余地はなくなる。 それこそが、最終的に達成すべき成果である」

音響試験により、センチネルが発射時の極めて大きな騒音と振動に耐えられることが実証された。 ノースロップ・グラマン

米国戦略軍の抑止任務は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦、そして核搭載可能爆撃機から成る米国の核戦力三本柱に支えられている。

センチネルの開発に当たり、ノースロップ・グラマンはローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)と共同で、LATFに「test‑like‑you‑fly(実運用を想定した試験)」環境を構築した。 同社によると、次世代ICBMは想定し得る中でも最も過酷な環境下での運用が求められるため、継続的な試験を通じて重要なハードウェアの性能を検証している。 試験では、技術者らがLATF内でミサイル前部を吊り下げ、その周囲にマイクロホンアレイを配置した。 この試験設備により、発射から上昇段階までの音響周波数や振動荷重を再現し、センチネルの構造健全性と耐久性を確認した。 実際のICBM発射では、強力な音波が地下サイロ内を伝播して激しい振動を発生させるため、ミサイルはこれに耐えなければならない。

LATFでの試験は、センチネルのペイロード再突入システムと、誘導・航法システムを搭載する制御モジュールを対象として実施された。 軍事ニュースサイト「ディフェンス・ブログ(Defence Blog)」によると、発射後、ロケットブースターが燃焼を終えて切り離されると、このユニットが飛行経路の制御を担う。搭載されたセンサー、コンピューター、小型姿勢制御スラスターを用いて再突入体を上層大気中で目標へ誘導し、その後、弾頭が最終飛翔段階に入るために分離される。

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