ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「LGM-35A センチネル(Sentinel)」計画の作業を再開した。この計画は、将来の米国核抑止力三本柱のうち、陸上配備部門を担うことになる。
同社は、センチネルの指揮・発射インフラに関連する財政的課題にどう対処するかについて米国空軍と最終的な計画を策定したと述べた。これらの課題は一時的な中断を招いた要因であったと、2025年7月のブレイキング・ディフェンス(Breaking Defense)の記事は報じている。
「我々はこれまで、ミサイル本体や支援・維持装備において着実な進展を遂げてきたが、現在は指揮・発射部門を同等の成熟度と設計水準に引き上げることに注力している」と、ノースロップ・グラマンのキャシー・ウォーデン(Kathy Warden)最高経営責任者(CEO)は最近の投資家向け電話会議で述べたと、Breaking Defenseは伝えている。
米戦略軍(USSTRATCOM)司令官アンソニー・コットン(Anthony Cotton)空軍大将は、この新型弾道ミサイルは国家安全保障に不可欠だと言う。
「センチネルの精度、射程、即応性、安全性、セキュリティ、持続能力は、ICBM部隊が少なくとも2080年まで強力な戦闘能力であり続け、信頼できる陸上核抑止力として存続することを保証する」と、コットン大将は2025年3月の上院軍事委員会での証言で述べた。
米国空軍は、当初計画されていた旧式のミニットマンIII(MMIII)ミサイルのサイロを再利用するのではなく、センチネル用に新たな地下サイロを建設する必要があると、2025年5月のDefense Oneの報道で述べている。 「まだ最終決定はされていないが、センチネルは主として空軍所有の土地に新しいミサイルサイロを建設し、MMIIIのサイロを再利用しない見込みだ」と、米国空軍は2025年5月の声明で述べた。 ミニットマンは2050年まで現役にとどまる予定である。
米国空軍グローバル打撃軍団(Global Strike Command)副司令官マイケル・J・ラットン(Michael J. Lutton)中将は、2024年11月のエア&スペース・フォース(Air & Space Forces)誌に対し、センチネル計画は「スイスのおよそ2倍の面積に及ぶ施設を近代化する巨大な工学的かつインフラ的事業である」と語った。
Defense Oneによれば、コロラド州、モンタナ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州、ワイオミング州にわたるミサイル区域には、強化サイロに収容されたミニットマンが400基存在する。 「あの5州全体を結ぶ地下の指揮統制ネットワークが存在する」とラットン中将は述べ、「それを見れば、それが高度に複雑であることがわかる」と付け加えた。
