ポーランドと英国は、ロシアの侵略に対抗するため、新たな防衛・安全保障条約を締結したと発表した。 英国のキア・スターマー(Kier Starmer)首相とポーランドのドナルド・トゥスク(Donald Tusk)首相は、2026年5月にこの条約を発表した。 BBCの報道によると、この協定は防衛関連の雇用を支え、両国がサイバー攻撃に対応できるよう支援し、国境警備を強化し、組織犯罪グループを解体することを目的としている。
BBCによると、スターマー首相は「両国にとって、ロシアの侵略以上に大きな課題はない。その影響はウクライナ国内にとどまらず、ウクライナを越えて、我々の国々にも及んでいる」とし、 「そうした状況下で、我々は両国の安全保障・防衛関係において、まさに世代を超える規模で飛躍的に強化する合意に署名する」と述べた。
この条約の署名は、ポーランドが防衛費を急速に拡大している中で行われた。 ポーランド政府は、欧州連合(EU)からの約8,160億円(510億ドル)の融資を財源とする軍事支出の増額計画を発表した。 ポーランドは、EU理事会が2025年5月に採択した「防衛相応能力を高めるためのEU融資プログラム(Security Action for Europe program、SAFE)」の下で融資を受ける最初の国となった。同プログラムは、加盟国の技術・産業基盤を強化して能力格差を埋めることで、防衛態勢を加速させることを目的としている。 2026年5月、ポーランド政府はEUとポーランドの主要な指導者が出席した調印式において、同資金を活用することに合意した。
ポーランドは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来、防衛費を急速に増額してきた。
ウェブサイト「Breaking Defense」によると、ポーランドのトゥスク首相は式典で次のように述べている。「我々は皆、全面的な武力衝突を避けたいと願っているが、現在の国際情勢を踏まえれば、ポーランド軍と防衛産業があらゆる脅威や課題に対処できるようにしておく必要がある。 今日はまた、欧州全体が歴史から教訓を学び、米国の勧告に従い、米国と協力して、安全保障に対してより大きな責任を担う準備が整っていることを示す日でもある。」
欧州委員会のウェブサイトによると、EU融資プログラムの下で、EUは防衛能力への投資に向けた財政支援を要請する加盟国に対し、競争力のある金利で長期の融資を最大約28兆円(1,740億ドル)提供する予定だ。 同プログラムは、欧州委員会の「欧州再軍備計画/防衛準備2030(ReArm Europe Plan/Readiness 2030)」の第一の柱であり、EU全域で約149兆円(9,300億ドル)の防衛費を以下の2つのカテゴリで実現することを目指している。
- カテゴリ1 — 弾薬およびミサイル、長距離精密打撃能力を含む砲兵システム、兵士装備や歩兵用武器を含む地上戦闘能力およびその支援システム、小型ドローン(NATOクラス1)および関連する対ドローンシステム、重要インフラの保護、サイバー、対機動戦を含む軍事機動性
- カテゴリ2 — 防空・ミサイル防衛システム、海上(水上・水中)戦力、小型ドローンを除くドローン(NATOクラス2および3)および関連する対ドローンシステム、 戦略的支援能力(戦略空輸、空中給油、C4ISTAR(指揮、統制、通信、コンピュータ、情報・諜報、監視、目標捕捉および偵察)システム、ならびに宇宙資産およびサービスを含む)、宇宙資産の保護、人工知能および電子戦
ポーランドは、防衛費のGDPに占める割合が4.8%と、他のNATO加盟国の中で最も高い。 指導者らは、海外の防衛関連企業に対し、同国の産業基盤への投資を働きかけてきた。
「我々は明確に発言している…我々と提携し、ポーランドで製品を販売したいなら、ポーランドに投資し、 技術移転を行い、 真のパートナーシップを築く必要がある」とポーランド国家資産省のコンラッド・ゴロタ(Konrad Golota)次官は、2026年5月にポーランドのワルシャワで開催された「Defense 24 Days」会議で防衛関連企業に対し、このように述べたとウェブサイト『National Defense』は報じている。 同次官はまた、「ポーランドは、単なる組み立てラインでも、単なる財布でも、単なるクレジットカードでもない」と付け加えた。
