米国宇宙軍スペース部隊(S4S)は、2024年12月に初年度の節目を迎え、宇宙領域における新たな安全保障上の課題に対応するための複数の成果を祝った。
米国宇宙コマンド(USSPACECOM)は、戦闘司令部全体で宇宙部隊の提供を平準化し、米国およびその同盟国・提携国の防衛を支援する目的で、宇宙軍の構成部隊としてS4Sを設立した。
S4Sは「戦術を策定し、作戦概念(CONOPs)を構築し、宇宙の優位性を獲得および維持する部隊構成だ」と、宇宙作戦長官のチャンス・ソルツマン(Chance Saltzman)大将は米国宇宙軍のニュースリリースで述べた。 「ガーディアンズ(宇宙軍隊員)は戦闘員であり、単なる部隊員ではない」
S4Sの任務は、米国の戦闘司令官、統合軍、同盟国および提携国を支援するため、グローバルな宇宙作戦を計画、統合、実施、評価を行うことだ。 この組織はまた、米国宇宙コマンド(USSPACECOM)のための統合宇宙作戦も遂行している。
「S4Sは、軍人、民間人、請負業者の専門知識を結集し、戦闘員のニーズに応えるとともに、米国および同盟国の利益を保護している」と、S4Sの司令官であり、統合軍宇宙部隊の司令官でもあるダグラス・シース(Douglas Schiess)中将は語り、 「皆さんの努力のおかげで、我々は成長し、進化し、この1年で目覚ましい成功を収めることができた」と言葉を続けた。
2024年にS4Sが達成した主な成果には以下が含まれる:
- 領域を越えた世界規模の統合作戦を実施するため、初の統合宇宙作戦計画(JSOP)を策定。 「これは、宇宙空間における敵対行為や侵略行為からどのようにして身を守り、米国、同盟国、提携国、および商業宇宙能力を防衛し、国家機関、統合軍、同盟国および提携国と連携して宇宙能力およびその効果を提供する方法を示したものだ」と、S4S作戦計画部長のローレル・ジョディス(Laurel Jodice)中佐はニュースリリースで述べた。
- 米国宇宙軍(USSPACECOM)が主導する多国間による宇宙作戦の最適化を目指す取り組みであるオリンピック・ディフェンダー作戦(OOD)を拡大し、これまでのオーストラリア、カナダ、米国に加え、新たにフランス、ドイツ、ニュージーランドも参加。 「OODの同盟国および提携国が戦域について共通理解を持つことは不可欠だ。これにより、任務に影響を与える意思決定が、責任範囲内で何が起こり、何が起こり得るかという共通の認識に基づいて行われることが保証される」と、統合宇宙作戦センター副司令官であるオーストラリア空軍のジュリアン・グリーニング(Julien Greening)大佐は述べた。
- 米国国防総省およびコロラド州シュライバー宇宙軍基地の諜報機関が支援するパートナーシップ組織である国防宇宙防衛センター(NSDC)と、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地に所在し宇宙軍の作戦指揮を実行する統合宇宙作戦センター(CSpOC)の統合を促進するためのマスタープランを実施。
- ミサイル活動の監視を行い、活動量が320%増加したことを確認し、すべてのミサイル警告イベントについて100%の検証を達成したとシース中将は述べた。
- 商業統合セル(CIC)のネットワークを拡大し、宇宙領域認識を支援する15の商業ミッションパートナーを追加。 「CSpOCの商業統合セルの運用チームは、CIC能力の実用化に向けた取り組みを再活性化し、その能力を実験的概念から脱却させた」とグリーンリング大佐は述べた。 「この多様な運用チームは、協力的な取り組みを通じて商業ミッションパートナーとの関係構築に努めてきた」
米国宇宙軍司令官のスティーブン・ホワイティング(Stephen Whiting)大将は、2024年12月にコロラドスプリングスで開催された宇宙軍協会のスペースパワー会議での講演中に、S4Sチームを祝福した。
「宇宙での戦闘は複雑になり、その複雑さはますます増していくだろう。だからこそ、指揮統制を今しっかりと整備する必要がある」とホワイティング大将は述べた。 「[JSOP]は、情報に基づいた本物の作戦計画であり、我々の最高の宇宙戦術家たちがモデル化やシミュレーションを行い、それに基づいて作成されている。また、この計画には統合軍の適切な要素が寄与してる」
