米国空軍は、「クイックシンク(Quicksink)」と呼ばれる強力な対艦爆弾の軽量版の評価試験を成功裏に完了した。
2025年6月の空軍研究所(Air Force Research Laboratory ‐ AFRL)の発表によると、フロリダ沖のガルフ試験場(エグリン空軍基地が管理)において、B-2スピリット爆撃機が227キログラム級の誘導爆弾を投下した。
「Quicksinkは、海上の標的を迅速かつ効率的に撃沈する、手頃で革新的なソリューションだ」と、エグリン基地に所在する第53航空団司令官のダン・レホスキー大佐(Dan Lehoski)は述べ、 「AFRLによる500ポンド型のQuicksinkは、戦闘員に新たな選択肢を提供し、作戦の柔軟性を高める」と続けた。
空軍によると、Quicksinkは統合直撃兵器(Joint Direct Attack Munition ‐ JDAM)の改良型を使用しており、JDAMは無誘導爆弾に尾部誘導キットを装着することで、固定目標に対して使用できるスマート爆弾に変える技術である。 Quicksink計画では、爆弾の先端に赤外線イメージング式の「シーカー」を装着し、艦船のような移動目標を攻撃可能にしている。
防衛ニュースサイト「The War Zone(TWZ)」によると、JDAMキットは1つあたり最大約420万円(約3万ドル)で、無誘導爆弾の追加コストは「全体価格に対して最小限の増加」にとどまるという。 TWZによれば、Quicksinkのシーカー1基あたりの価格は約2,800万円(約20万ドル)であり、生産が本格化する際には約700万円(約5万ドル)まで引き下げることを目標としているとAFRLは述べている。 「比較として… 米軍の主要な空中発射型対艦巡航ミサイルの単価は約4億2,000万円(約300万ドル)だ」と、TWZは伝えている。 同サイトは、米軍の戦闘機から戦略爆撃機に至るまで、巡航ミサイルよりもはるかに多くの弾薬を搭載できることから、インド太平洋地域での紛争においてQuicksinkが重要な対艦能力を強化することになると指摘している。
これまでのQuicksink試験では、900キログラムの爆弾が使用されていた。 防衛ニュース・情報サイト「Janes」によると、その最初の投下は2021年、F-15Eストライク・イーグルから行われた。 Janesによると、最初のB-2による発射は2024年の環太平洋合同演習(リムパック)で行われ、900キログラムの爆弾の一つが元揚陸攻撃艦タラワ(USS Tarawa)を沈めた。
AFRLは、今回の実弾試験は同研究所、空軍試験センター、第53航空団による共同の取り組みであると発表している。
「この協力により、海上目標に対するリスクを維持するための手頃なプロトタイプ・コンセプトが迅速に作成された」と、AFRL弾薬局のマシュー・キャスパーズ大佐(Matthew Caspers)は声明で述べた。
AFRLによれば、最新の試験映像は機密扱いとなっている。 2025年6月のDefenseNewsオンラインの報道によると、2022年に公開された映像では、Quicksinkが無人の艦船に向かって突進し、爆発によって船体を真っ二つにして、数秒で水中に沈める様子が描かれていた。
