韓国と米国の国防当局者は、進化する北朝鮮の核の脅威に対応する能力を向上させるための重要な一歩となる、核抑止力に関する共同ガイドラインに初めて署名した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領とジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、「朝鮮半島における核抑止力と核作戦のための米韓ガイドライン(U.S.-ROK Guidelines for Nuclear Deterrence and Nuclear Operations on the Korean Peninsula)」を承認し、国防当局者が2024年7月にワシントンで開催されたNATO首脳会議の「サイドライン」で署名した、とAP通信が報じた。
両首脳は、この合意は「核協議グループ(NCG)」の発足から1年、両国の同盟関係が「大きな進展」を遂げたことの一環であると述べた。 核協議グループは、北朝鮮の核兵器開発を抑止するための情報共有、核指揮統制、共同計画と実行に取り組むために発足した。 2023年4 月、両国は核協議グループを立ち上げる「ワシントン宣言(Washington Declaration)」を発表し、70 年前に安全保障上のパートナーシップとして始まったものが、「民主主義の原則を支持し、経済協力を充実させ、技術的進歩を推進する、真にグローバルな同盟へと成長・拡大した」と述べた。
両首脳による共同声明は「両大統領は、米韓間のワシントン宣言における約束を再確認し、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)による韓国に対するいかなる核攻撃にも、迅速かつ圧倒的で決定的な対応が取られることを明確にした」としている。 バイデン大統領は、韓国に対する米国の拡大抑止へのコミットメントは、核兵器を含む米国のあらゆる能力によって支えられていると繰り返し述べた。 声明によれば、尹大統領は、韓国があらゆる軍事能力をもって同盟の統合防衛態勢に大きく貢献していくことを確認した。
2024 年、両国は合同軍事演習を拡大した。 AP通信によると、1月には日本が韓国と米国の防衛要員とともに、韓国の済州島沖で3日間にわたり分隊レベルからティア1レベルまでの大規模な海軍演習を行った。 また、3月には韓国と米国は両同盟国間の年次訓練の一環として、通常の2倍以上となる48回の演習を実施した。11日間にわたって行われたこの演習には、防衛・対応能力の強化を目的としたコンピューターシミュレーションによる指揮所演習「フリーダム・シールド(Freedom Shield)」も含まれた。
6月、日本が再び韓国軍と米国軍に加わり、初の3か国合同演習として「フリーダム・エッジ」を実施した。「フリーダム・エッジ」期間中、3か国の艦船と航空機は、弾道ミサイル防衛、防空、対潜艦戦、捜索救助、海上阻止行動、防衛サイバー訓練などの協力に重点的に取り組んだ。
韓国と米国の首脳は、防衛能力と準備態勢を示すため、合同実弾射撃演習を含む合同演習と訓練の規模と範囲を拡大し続けると述べた。
「戦闘可能な戦闘能力と堅固な即応態勢に基づき、我が軍は北朝鮮のいかなる挑発にも即座に報復する」と、尹大統領は2023年9月に韓国で行われた、軍創設75周年と米国との安全保障同盟締結70周年を記念する式典で語り、さらに「「北朝鮮が核兵器を使用すれば、政権は韓米同盟の圧倒的な反撃によって終焉を迎えるだろう」と述べた。
画像提供: ケイティ・レッチュルテ(KATIE RETSCHULTE)二等軍曹/米国陸軍